2016.12.13 

あしたのチーム総研主席研究員 田中道昭先生レポート 第1弾

『ミッション経営が競争優位となる根源的分岐点とは何か?』
~企業の使命や存在意義と位置付けられるミッションの本質と役割~

 

  ここ数年、ビジネスの現場で目にすることが多くなった「ミッション」という言葉。本レポートでは、「使命や存在意義」を示すミッションが組織に浸透し、競争優位性を高めていくために、どのようなプロセスが必要なのか、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科でミッション・ブランディングを中核とするコーポレート・マーケティングの研究者としての立場、そして、これまで多くの企業のミッションを経営者とともに練り直しを実行してきた実務家としての立場から考察していきたい。

 

 

 

 はじめに~多くの企業が本質をほとんど理解していない「ミッション」~ 

ここ数年、ミッションという言葉をビジネスの現場においても頻繁に目にするようになってきた。もともとは外資系企業がマネジメントの概念として使っていたものが、最近では多くの日本企業も、IT企業など比較的新しい企業から、旧財閥系企業など日本を代表する老舗企業までが自社のミッションがいかなるものであるかを鮮明に掲げ始めている。

ミッションとは、「使命」や「任務」と訳される。「企業におけるミッション」とはすなわち、「企業の使命や存在意義」ということだ。

ミッションとは企業だけに使われる概念というわけでもなく、国家・社会・企業・人などの主体が、世界観・歴史観・人間観などからそれぞれの主体における使命・存在意義・在り方を定義したものなのである。

ミッションを明文化し、組織に定着させようと腐心している企業は多い。しかしながら、多くの企業はミッションの本質をほとんど理解しないままミッションを掲げ、形だけに終わってしまっているケースも少なくない。さらには、ミッションが本当に組織に浸透し、競争優位にまで高められている組織は決して多くはないだろう。

企業におけるミッションとは、その企業の果たすべき使命であり役目を明確にすること。そこからさらに企業が存在する意義は何か? 何のために自分たちは活動しているか? という根本的な命題にまで立ち返ることになる。ここまで突き詰めて初めて、本来のミッションと呼べるものになってくると言えるだろう。

ミッションとは企業の存在意義であることから、必然的に普遍性、社会性を帯びた概念と言える。顧客に対してはもちろんのこと、広く社会全体にとって自分たちの活動はどのような意味と意義を持っているのか?翻って自分たちはそもそも何者であるか?企業の存在の根本を問い、それを明確にしたものがミッションなのである。

このようなことからも、ミッションは策定して掲げるだけでは何らの意味をもたない。ミッションにより事業が定義され、組織や社員のDNAとなり、顧客や社会に貢献するだけではなく、ビジネスとしても成功することで初めて高く評価されるものであるのだ。

 

混同されがちである、「ミッション」、「ビジョン」、「バリュー」それぞれの違い

ミッションはビジョンやバリューとともに経営理念や経営哲学と称され、3者が混同されて使われることも多いことから、ここではまず3者の区別を明確に提示しておきたい(図1参照)。

ミッションは、人や組織の存在意義や使命であり、最上位概念となる目的関数である。ミッションが目的であるのに対して、ビジョンは目標であり、人や組織の中長期的な夢や目標を表象したものである。最後にバリューとは、人や組織の価値観であり、人や組織の行動指針として機能しているものである。

ミッションは最上位の概念であり、存在意義、存在目的を明らかにしたもの。それに対してビジョンとは、ミッションを前提にして、具体的に将来企業がこういうふうになるという像を明確にしたものである。ミッションが存在理由や存在目的といった本質的な概念だとするなら、ビジョンはそれを実現する上で自分たちの会社がどのような会社になるべきか、どうなりたいかを明らかにしたものである。そしてバリューとは、ビジョンを実現するにあたっての行動指針と呼ぶべきものである。企業の中の一人ひとりが、どのような価値判断で、どのように行動するべきか。あるいはどんな行動を取ってはならないか、その基準を決めたもの。実際には、社是とか社訓などという形で表されることも多い。

 

ミッションの概念についてはご理解いただけただろうか。次回は、普段のビジネスに即してミッションの概念を整理し、その優位性と大切さについて考察していく。

 

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会社名
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代表者
代表取締役社長 高橋恭介
本社所在地
東京都中央区銀座6-4-1 東海堂銀座ビル 6F
事業内容

 

・人事評価クラウド型運用支援サービス「ゼッタイ!評価®」

・あしたの人事評価クラウド「コンピリーダー®」

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・その他人事関連事業

資本金
4億1010万円(資本準備金含む)
設立
2008年9月25日
HP
http://www.ashita-team.com

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